“匠”の技術でモノづくりをしている会社

皆さんは、パイテックという会社をご存知でしょうか?大阪市に本社を置き、産業用ロールの加工やシャフトの製作などを行っている会社です。その基盤は昭和16年に立ち上げられたとのことなので、創業から80年近い老舗企業ですね。

パイテックの強みはなんといっても“匠”の技術による精度の高い商品だといいます。たとえば、機械の動力を伝えるための回転軸となる「シャフト」製作では、最長20,000mmの長さまで対応。シャフトの製作は、通常であれば6,000mm以上の長さになると製造難度が上がると言われているそうです。それは、長くなればその分、振れやしなり、たわみが大きくなり、作業に影響を与えてしまうからだそうです。そのため長くなればなるほど精密な加工はできないというのが基本的な認識としてあると言います。しかし、パイテックはそんなシャフト製作の限界を押し上げ、なんと20,000mmまで対応しているというから驚きですよね。

これらを実現しているのは、パイテックが独自に追求してきたオリジナル加工技術と、的確な加工が行える高い技術を持った職人さんの養成に取り組んできたからだといいます。オリジナル加工技術は企業秘密であり公開されていないようですが、このこの2つと充実した機械設備、創業以来培ってきたノウハウなどが合わさって、より高い精度で、より長いモノの加工を実現しているのでしょう。 

また、パイテックのもう一つの強みである「ロール加工」では、大口径ロールに対応。シャフト製作と異なり、ロール加工の場合は作業に使う機械設備のスペックが大きく影響してくるのだそうです。そのため、パイテックでは旋盤機など直接加工に用いる機械設備のみでなく、品物を吊るすためのクレーンといった周辺設備も充実させてきたのだそうです。 

更に、ただ削るだけではなく、円筒鏡面加工・高面粗度加工などという表面加工にも高い精度で対応することができるのだそうです。パイテックのロール類における加工精度は、「真円度・円筒度・振れは0.003mm」、「面粗度は0.05s」を実現しているといいます。たとえば、原子力発電所に関連する超重要部品では、本当にわずかな誤差も許されません。パイテックはそういった分野に対し、1000分の1mmの世界でニーズに応え続けてきたといいます。

そんな“匠”の技術で精度の高い商品を提供し続けてきたパイテックは、北海道から九州まで、日本各地に取引実績を持ち、業界での確固たる地位を築き上げたのだそうです。ローラーやシャフトなど、普通に生活している上ではあまり意識しない部分だとは思いますが、発電所や大型船舶、橋などに使われ、日本の発展を黒子のように支えてきたのだそうです。

⦅PICK UP⦆☞☞☞ロール・シャフト製作なら(株)桜井鉄工所・(株)パイテック

創業70年による一貫体制

1941年に誕生したサクライグループは、創業以来一貫してロール加工・シャフト作成の分野に取り組んできたといいます。パイテックもそんなサクライグループの一員として、制作技術やノウハウの蓄積、先見性のある機械設備や最新技術の導入などを積極的に行ってきたそうです。

それによりパイテックでは現在、材料調達を除いたほぼ全てにいたる加工工程を自社内で対応できる体制が実現。研削から研磨や旋盤、スライス、バランス、仕上げなどの加工工程から、検査・納入搬送まで、パイテック単独で完結できる一貫体制となっているといいます。

これにより、ロール・シャフトの材料を自社工場へ搬入後、製品の最終仕上げから納品までスムーズに対応できるようになったといいます。グループ内で完結することで、短納期化やコスト削減、工程管理の簡略化といったメリットがあり、クライアントからも高い評価を得ているのだそうです。

また、パイテックはロジスティクスにも強みを持っているといいます。サクライグループが所有している大型トラックは、2トン、3トン、3.5トン、8トン、25トンと数多くあり、グループ内で仕上げた製品は責任を持ってクライアントの元まで配送。自社トラックで配送することにより、夜間の配送や緊急性の高い製品の即時配送など、クライアントのニーズに合わせたデリバリーが可能になっているのだそうです。他者の配送業者を使わないので、配送料などの面からも低コスト化を実現しているといえそうですね。自社で配送まで行ってくれるので、業者間の配送トラブルなども少なく安心できそうです。

そんなパイテックのテーマは、「丸棒一本をご用意したら、あとはお任せください」。グループ中核である桜井鉄工所をはじめ、グループが培ってきた加工技術は今やミクロの領域へとフィールドを拡大しています。より精巧・より高品質。超大型ロールから超精密ポンプ軸・シャフトなど、「丸モノ」の取り扱いには絶対的な自信を持っているとのこと。中でも、原子力発電所や大型船舶に使用される部品など、わずかな誤差も許されない重要な部品については、高い品質管理体制と“匠”の技術を後世へ継承していく人材育成制度により、パイテックが特に強みとしている分野であるようです。

精密加工や長尺・大口径加工に加え、これらの強みを持つパイテック。大阪に社屋を構える会社でありながら、その取引実績は日本全国にまで及ぶといいます。まさに、日本の産業を支えてきた会社の一つといえるのではないでしょうか。

様々なサイズ・素材に対応したモノづくり

創業以来、70年以上にもわたりロール・シャフト製作で日本の産業を陰ながら支えてきたというパイテックは、機械設備の導入と人財育成、優れた加工技術の確立により、サイズ・精度・素材の分野で幅広くクライアントのニーズを叶えているのだそうです。

たとえば、一般的に長さ6,000mm以上からは加工難度が跳ね上がると言われているシャフト製作では、最長20,000mmの長尺対応を実現。大型の機械設備導入と合わせてパイテック独自の加工技法の追求や実際に作業を行う職人の技術向上などに努めてきたからこそ実現できた対応領域だといえるでしょう。また、大口径ロールの場合は、機械設備のスペックが対応領域に大きく影響してくるといいます。そのためパイテックでは、大型の研削機や旋盤機といったメインとなる設備だけでなく、ロールを吊るすためのクレーンなどの周辺機器も大型に対応したものを備えることにより最大加工径は2,100φまで対応。パイテックの高い技術力により、大型ロール加工と加工精度の両立を可能としているのだそうです。

また、長年にわたって原子力発電所関連の製品などの極めて高い精度を要する部品の製作を手掛けてきたパイテックは、高い真円度・円筒度を持つシャフトの製作や、加工工程が複雑なタービン製作、面粗度(表面粗さ)を限界まで追求した鏡面ロール製作など、その加工精度においても抜きんでた技術を誇っているのだそうです。
中でも得意分野の一つとしている鏡面加工では、面粗度0.05sと極めて高い次元の面粗度を実現。円筒鏡面の研削技術は数多くのクライアントから支持されているほどだと言います。

そして、パイテックの加工技術は様々な素材にも対応可能。ファインセラミック・タングステンカーバイトをはじめとする新素材にもいちはやく着目したというパイテックは、ダイヤモンドを使用することにより難加工素材への加工実現など、常に最新の加工技術を追求することで対応できる素材の幅を広げているのだそうです。
合金からチタン・セラミック・花崗岩・ガラス・ゴム・テフロン・ハイスなど、その加工領域は多岐にわたります。今後も技術の発展とともに新素材は次々と出てくるでしょう。そんなまだ見ぬ新素材にもスピーディに対応してくれる会社があれば、クライアント側も安心できそうですね。

より大きく、より精巧な加工・製作を目指しているというパイテック。大型機械に欠かせない大型ロールや長尺シャフトの製作で困った際は、一度チェックしてみるといいのではないでしょうか。

日本の産業を支える製品群

社会資本の起点と言っても過言ではない鉄鋼分野、世界でもトップクラスを誇る船舶分野、人々の暮らしに密着した製品開発に欠かせない石油・製紙分野、エネルギーの安全供給が必須となる原子力分野など、パイテックの製品は様々な分野に深く寄与しています。この他にも、ポンプ・送風機・プレスと、パイテックの高い技術によって生み出される製品群は、産業界の基盤を広く支えているのだそうです。

産業ロールでは、製鉄・製紙・ガラス・フィルム・油脂肥料・歯車など、様々な分野に対応。営業品目も圧延ロールや矯正ロールをはじめ、30種類以上にもわたる幅広さが特徴的です。大口径・長軸対応だけでなく、高精度の鏡面加工を絶対的な強みに置いているといいます。

シャフト製作では、原子力発電・火力発電・船舶製鉄・大型工作機械などの分野に対応。その種類もポンプシャフトやカムシャフト、タービンシャフト、ボーリングシャフトなど各種シャフトからアクチエーター部品にいたるまで、様々な品目が揃っています。特に原子力発電所など、わずかな誤差も許されないシビアな世界で、パイテックはその製品群を任されているようです。超精密な公差対応を得意とするパイテックならではの実績といえるのではないでしょうか。

そして、サクライグループの中でパイテックのみが対応しているのがレベラーロールの製作なのだそうです。パイテックのレベラーロール製作実績は年間2,000本以上にも及び、アルミ向けの高精度加工やクラウン加工などにも対応しているとのこと。更にパイテックでは、レベラーロール製作における短納期対応を目指し、熱処理済みピーニング材を各サイズ在庫確保しているのだそうです。
各サイズあらかじめ処理を済ませておくことで、注文を受けてから行う工程数を短縮でき、短納期化につながるとのことです。年間2,000本もの製作実績があるパイテックであれば、在庫保有のリスクも大幅に軽減できるのでしょう。

また、パイテックではロール・シャフトの製作だけでなく、補修・再生などの依頼も受けているのだそうです。表面の傷や軸の痛みなど、もう使えなくなってしまった製品でも、パイテックの技術と設備にかかれば補修・再生することができるかもしれないといいます。、鍍金や溶射、肉盛りといった作業をあてることにより、ダメージを負った部分を元に戻したり、別の製品へと再生させたりしているのだそうです。

これらはクライアントのコスト削減と同時に、環境対応にも一役買っていることから、年々依頼数も増えているといいます。もし損傷で使えなくなってしまったロール・シャフトなどがあれば、一度パイテックに相談してみるのもよいのではないでしょうか。

品質管理と生産能力の向上への取り組み

ロール・シャフト製作において、様々な分野から高い評価を獲得しているパイテックは、機械設備の導入・独自技術の追求だけでなく、品質管理への取り組みや生産能力の構築にも力を入れているようです。

品質管理では、安全で高品質な製品づくりを目指し、品質マネジメントシステムの国際規格として知られる「ISO9001」の取得。さらに、技能検定取得支援やキャリアアップ支援、QCサークルなどによって、グループ内の技術向上に努めているといいます。技能検定とは、「労働者の有する技能を一定の基準により検定し、国として証明するための国家検定制度」のこと。パイテックを含むサクライグループでは、この技能検定取得者は17名にものぼるなど、取得支援に力を入れていることが伺えます。

また、パイテックが大きな優位性としている大口径ロールや長尺シャフトの仕上げ作業には、人の手を介さなければ実現不可能な領域がどうしてもあるのだそうです。“匠”の技術と経験、工夫が、ミクロンの世界での作業を実現しているとのこと。技術力に絶大な自信を持っているサクライグループでも、最終仕上げ出来る人物は一握りだといいます。

そこでパイテックでは、それだけ難しい仕事をしっかと次世代へ受け継がせるため、人材育成と独自技術の創造には一層注力して取り組んでいるのだそうです。人材育成では、定期的に開催される“匠”の職人による実践レクチャーや技術研究会、自己啓発や業界研修なども含め、社員のスキルアップ・キャリアアップを支援しているようです。あわせて、加工技法の見直しなども積極的に行うなど、現場で働く社員の加工技術向上のためには努力を惜しまないパイテックの社風が見られます。こういった取り組みが、業界トップクラスの加工精度を実現し、クライアントからの信用にも繋がっていくのではないでしょうか。

そして、パイテックは柔軟な生産能力の管理も武器の一つとなっているそうです。現場では「一人多台持ち」を基本としたNC化の推進により、無人化・省略化を追求。昼夜2交代制で日頃から量産体制を構築しているとのことです。

さらに、突発的に舞い込んできた緊急性の高い案件にも対応できるよう、グループ内の各工場で仕事の振り分けや連携ができる体制が整えられているといいます。これにより、必要な設備がフル稼働してしまっていてもグループ内で作業を割り振り、最適化することで必要な生産能力の確保が可能となり、1社単独では不可能な柔軟性のある生産能力確保を実現しているのだそうです。